1000円カット
先日、ふと、車で近所の1000円カットに行ってみることにしました。顔馴染みの5000円の極められた施しを受ける、20代のお客が多い美容室を通り過ぎ惜しみながら。そのタイミングでは、お金があまり無く、なくなく。
スーパーの一角にちょこんと区画で仕切られ、見るからにチープな内外装と、待ちのおじいちゃんが外から見え、1000円カット自体も初めての経験ということも相まって、入ることに若干の抵抗を覚えるわけですが、
ガラガラ鳴りながら開く自動ドアをくぐり入店しました。
すると、40代くらいの白髪のスタッフさんがすでにお客様の髪を切っていて、横目で「いらっしゃいませー」と言うわけです。
自分もちょこんと会釈をして、
2人待ちの方がいらっしゃったので、その後ろについてスマホを遊び相手に待ってました。
20分くらい経ち、先客の髪が切り終わり、自分とスタッフさん2人になり、「次の方どうぞ〜」との声に従い、辺りに無造作に散らばっている白と黒のマーブルの毛を横目にとことこ1つしかない席に着きました。
1000円カットだもんな、杜撰な部分もそれなりにあるよなと思っていたわけですが、
最中、
「さあ、お客様どんな髪型にしますか」
「今の流行りは〇〇ですよ」
「髪が伸びた時、こんな髪型になるので、トップの部分を…」
等々、世間の現状を伝えてくれ、未来も見据え懇切丁寧に説明してくれるのです。
そして、後ろにお客様が並んでいなかったこともあり、何度も満足がいくよう配慮して一切の妥協をせず、丁寧に切っていただきました。
20分以上寄り添ってくれたでしょうか。
そして、彼は語るんです。
「俺はたかだたアルバイトだ。正直実際テキトーな仕事をしてても給料は変わらない。1000円カットの質は低く、要望は一切叶えられないと言う人も大勢いる。
だけど、俺は1000円カットだろうがなんだろうが誇りを持ってお客様に寄り添いたい。
プロであることを忘れず、どこで働こうが、ベストを尽くすだけだと。
そんな俺はどこへでも行ける。」
プロの意志をみた!感動した!
人間が切るとはこういうことか。コンビニやスーパーのレジは即機械に代用できるといわれるが、人がしてくれることで感動することはある。
人が仕事するとはこういうことか!
その日は朝から1日絶好調だ!